資金調達のプロが教える!企業のための銀行融資活用術

「銀行からの借入って、どこでもいくらでもできるもんでしょ?」 そんなふうに思っていませんか?実はこれ、経営者の方によくある誤解です。

銀行融資は、ただお金を借りるための手段ではなく、企業が成長していく上で“戦略的に使うべき道具”なんです。 でも、融資を受けるためには、それなりの準備と「銀行から信頼される企業づくり」が必要になります。

今回は、「借りることは悪いことじゃない」「でも借り方にはコツがある」という視点から、銀行融資をうまく活用するための考え方と、実践的なポイントを分かりやすく解説します。

1.銀行融資の基本|信用保証協会からプロパー融資へ

まず知っておきたいのが、「信用保証協会付き融資」と「プロパー融資」の違いです。

創業間もない企業や、まだ財務的に弱い企業は、まず信用保証協会付き融資からスタートするのが一般的です。 これは、万が一返済ができなくなっても信用保証協会が代わりに支払ってくれる仕組みなので、銀行としてもリスクが少なく、比較的貸しやすいんですね。

一方、プロパー融資というのは、銀行が自分たちのリスクで直接お金を貸すもの。 これは信用度が高くないと通らないため、企業として一定の実績や安定感が必要になります。でも、金利が低かったり、融資枠が広がったり、返済期間を長く取れたりなどと、柔軟性も高くメリットも大きい。

つまり、まずは保証付き融資で実績を積み、いずれはプロパー融資に移行していく──これが理想的な流れです。

2.銀行が融資したくなる決算書を作るために

じゃあ、どうすれば「銀行が貸したくなる会社」になれるのか? それには、やっぱり決算書の内容がめちゃくちゃ大事です。

売上が多い=良い決算書、ではないんです。 むしろ、銀行が注目しているのは、BS(貸借対照表)やキャッシュフローの安定性。

・売上が多少上下しても、利益は安定して出せているか? ・自己資本(自分のお金)がちゃんと積み上がってきてるか? ・現金や売掛金の回収状態、在庫の管理はどうか?

つまり、「この会社、ちゃんとお金の流れを管理できてるな」と思ってもらえるかがポイントです。

たとえば節税ばかりに走って、利益をゼロに近づけてしまうと、税金は減っても融資には不利になることがあります。 税金を払いたくない気持ちは分かりますが、借入を有利に進めるなら、ある程度の利益は見せる必要があります。

自己資本についても、簡単に増やせるものではありませんが、利益をきちんと積み上げていけば、自然と増えていくもの。 銀行には「これから積み上げていくんだ」というストーリーを説明できるようにしておきたいですね。

3.借入を活かすために必要な考え方

もうひとつ大事なのが、「借り方」そのものです。 つまり、借入を“成長のための戦略”として使っているかどうか。

・何に使うお金なのか?(設備投資?人件費?運転資金?) ・どうやって返すつもりなのか?(キャッシュフローの見通し) ・銀行が納得できる説明ができているか?(数字と計画の整合性)

銀行もビジネスですから、「この会社なら貸しても大丈夫だ」と思ってもらえるような根拠が必要なんです。

また、資金が必要になったときだけ銀行に行くのではなく、日頃から関係性を築いておくこともめちゃくちゃ重要です。

「この社長、ちゃんと会社のことを見ているな」 「何かあってもきちんと報告してくれるな」 そんなふうに思ってもらえると、融資の相談もスムーズになります。

毎月の試算表や簡単な事業報告を共有したり、四半期ごとに軽く面談したりと、ちょっとしたことの積み重ねが信頼を生みます。

4.銀行との信頼関係を築くために

銀行との関係性は、一朝一夕では築けません。

資金が必要になった時だけ顔を出すようでは、なかなか信用してもらえないのが実情です。 だからこそ、普段から「経営者として誠実に、数字と向き合っている姿勢」を見せることが大切です。

・月次試算表を提出する ・経営計画や数字の見通しを伝える ・問題があった時は早めに相談する

こうした積み重ねが、「この社長には安心して貸せる」という評価につながるのです。

5.まとめ

銀行融資を活用するためには、次のようなポイントがカギになります。

・信用保証付き融資からスタートし、将来的にプロパー融資へ ・決算書の中身(特にBS)を整え、財務体質を改善する ・PLだけじゃなく、キャッシュフローや自己資本にも注目する ・節税よりも“見せる利益”を意識する ・使い道と返済計画が明確な借入を心がける ・銀行とは日常的に情報共有し、信頼を積み上げる

借入は、会社を強くするための“手段”です。 お金を借りること自体は悪くありません。むしろ、きちんとした使い方をすれば、大きな武器になります。

でも、銀行との信頼関係がなければ、その武器をうまく使いこなせません。 だからこそ、数字の見せ方や事業計画の立て方、銀行との付き合い方を意識することが大切なんです。

当社では、銀行交渉のサポートや融資資料の整備、資金調達の戦略づくりまでお手伝いしています。

「今の財務状況で借入できるのか不安」「銀行とどう付き合っていけばいいか分からない」 そんな方は、お気軽にご相談ください。

一緒に“借りられる会社”を目指していきましょう!

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