融資相談を受けたときの「銀行員の本音」! 深層心理を深掘り

銀行員の“優しい対応”に安心していませんか?融資の裏で動く“本音と葛藤”

「銀行の担当者が丁寧に話を聞いてくれた。これならきっと大丈夫だろう。」
融資相談のあと、そう感じて少し安心した経験はないでしょうか。
しかし、その“優しい対応”の裏側で、銀行員の頭の中ではまったく別の計算が働いています。

銀行員もまた、「融資を取りたい」という営業目標と、「不良債権を出してはいけない」というリスク回避の板挟みの中で日々動いています。
つまり、彼らは「融資を出したい」と思いながらも、「出すのが怖い」と感じているのです。
この矛盾した心理構造を理解していないと、経営者の側からどれだけ誠実に話しても、思ったような結果にはつながりません。

銀行員が融資相談を受ける際、頭の中では次のようなことを瞬時に考えています。

  • この案件は“上を通せる”内容か?
  • 稟議を上げたとして、上司や審査部に突っ込まれないか?
  • 担当者として「責任を取れる説明」ができるか?

実は、銀行員が恐れているのは「貸し倒れ」よりも「稟議で否決されること」です。
否決されれば、上司から「なぜこの案件を上げた?」と詰問され、評価にも響きます。
そのため、案件の内容よりも、「上司に説明しやすいかどうか」「資料が整っているかどうか」が融資判断の第一関門になるのです。

一方で、経営者は「業績もそこそこ悪くないし、話を聞いてくれたのだからきっと前向きだろう」と思いがちです。
ですが、銀行員の“穏やかな対応”は、必ずしも前向きのサインではありません。
むしろ、「断りづらい案件だな」「上には通らないけど角を立てたくない」という心理から、曖昧な返答をするケースも少なくありません。
実際、担当者が「検討します」と言ったまま数週間経っても音沙汰がない——これは“やんわり保留”の典型です。

つまり、融資相談の場は単なる数字の話ではなく、銀行員の“心理戦”が繰り広げられる交渉の場でもあるのです。
その構造を理解していないと、経営者は「銀行が冷たい」「説明したのに通らない」と感じてしまいます。
しかし、銀行員の立場から見れば、「通したいけれどリスクが高い」「説明材料が足りない」というジレンマの中で判断しているのです。 融資を有利に進めるには、まずこの“銀行員の本音”を理解することから始める必要があります。


業績が良い会社に対する銀行員の本音“出したいけど、怖い”という矛盾

銀行員にとって、業績が安定している会社からの融資相談は“嬉しい話”のはず。
「来た来た、これはうちの実績になる!」と内心ガッツポーズを取る担当者も少なくありません。
ところが、その一方で心の中にはもう一つの声が響いています

「でも、条件交渉が大変そうだな」「プロパー融資(保証なし)は面倒だな」……。

つまり、銀行員は「出したい」と「守りたい」の間で常に揺れているのです。

業績が良い企業ほど、当然ながら金利や条件面でシビアな交渉を行います。
「他行ではもう少し金利が低い」「保証協会は使わずプロパーでお願いしたい」など、経営者としては当然の主張です。
しかし、銀行員にとってはそれがプレッシャーでもあります。
なぜなら、プロパー融資は銀行自身がリスクを負う取引であり、万が一焦げ付けば大変な損失を被るからです。

一方で、保証協会付きの融資であれば、審査もスムーズで心理的負担も軽い。
本部への説明もしやすく、「通しやすい案件」として扱われます。
このため、銀行員の本音としては「良い会社こそ保証付きで行ってほしい」という矛盾した感情が生まれるのです。

さらに、銀行員は「自分の店の実績」も意識しています。
支店には融資目標やノルマが設定されており、優良案件をいかに多く取り込むかが評価のカギになります。
だからこそ、条件が良く、説明の手間も少ない案件は“ぜひやりたい”。
しかし、少しでも社内調整が難しい条件になると、「できれば避けたい」という防衛本能が働きます。

このとき、経営者の交渉姿勢が大きく影響します。
 ・自社の数字や資金使途を明確に説明できるか
 ・担当者が上司に報告しやすい資料を揃えているか
 ・“信頼できる相手”としての印象を与えているか

これらが揃っていれば、銀行員は「この社長の案件なら上に通せる」と自信を持ちます。
逆に、どんなに業績が良くても「説明が曖昧」「資料が足りない」と感じると、担当者は慎重になります。
なぜなら、融資とは「返済できるか」だけでなく、「説明できるか」で決まるからです。

つまり、銀行員にとって“良い会社”とは、決算書の数字が良い会社でもあり、「自分が稟議を通しやすい会社」なのです。
経営者はこの視点を理解しておくだけで、交渉のスタートラインが変わります。


業績が微妙な会社への本音“断るより関わりたくない”心理をどう打破するか

銀行員も人間です。
どんなに融資のプロであっても、「正直、この案件は気が重いな…」と思うことがあります。
特に、業績が悪化していたり、数字に明確な説明がつかない企業から相談を受けたとき
その心理は「断る」よりも、「関わりたくない」に近いのです。

たとえば、赤字が続いている企業や、資金使途があいまいな相談を受けたとき、銀行員の頭の中はこうなります。
「この案件、上に稟議をあげても通らないだろうな…」
「断るにも理由を説明するのが面倒だし、上司に報告するのも気が重い」
つまり、“稟議で落ちる”とわかっている案件ほど、現場では「聞かなかったことにしたい」という心理が働くのです。

特に避けられがちな相談には、いくつかの特徴があります。

  • 数字の悪化理由が説明されていない
  • 資金使途がぼんやりしている
  • 「なんとかしてくれ」感が強く、具体策がない
  • 既存の借入状況を把握していない

こうした状態で相談に行くと、担当者は「この社長は準備不足だ」「上に通せる説明材料がない」と判断します。
その瞬間、案件は“優先度の低いフォルダ”に入れられてしまうのです。

では、どうすればこの“関わりたくない”壁を越えられるのでしょうか?
答えはシンプルです。
銀行員が上司に説明しやすい状態をつくること。
それだけで、担当者の態度は劇的に変わります。

たとえば、
 ・赤字の理由をデータで説明し、改善の見通しを示す
 ・資金の使い道を明確にして、PLやキャッシュフローと整合性を取る
 ・決算書に補足資料を添え、「現状と今後」を整理する
 ・他行の提案状況を共有し、比較検討の材料を提示する

これらが揃っていれば、銀行員は「上に話が通しやすい」と感じます。
重要なのは、“融資をお願いする”という立場から、“一緒に案件を通すパートナーになる”という視点に切り替えることです。

銀行員は「貸したいけど、失敗したくない」と思っています。
その不安を先回りして取り除いてあげることが、融資交渉を前に進める最大のコツです。
つまり、業績の良し悪しよりも、経営者の「準備力」と「説明力」が結果を左右するのです。


融資は“人間の交渉”銀行員に「通したい」と思わせる資料と姿勢とは

融資の現場は、冷たい数字だけで動いているように見えて、実際には“人間の信頼関係”で成り立っています。
銀行員はロボットではなく、日々多くの案件を抱える「感情を持つ営業職」です。
だからこそ、経営者が「この人の案件なら通したい」と思わせられるかどうかが、融資成功の分かれ道になります。

銀行員の頭の中には常に、「この案件を上にどう説明するか」という意識があります。
つまり、あなたの話を聞きながら、同時に上司や審査部の質問をシミュレーションしているのです。
「赤字の理由を聞かれたら何と答えよう」「この資金使途の根拠を説明できるか」
その“答え”を事前に用意しておく経営者は、圧倒的に信頼されます。

具体的には、次のような準備ができていると、銀行員の印象は一気に変わります。

  • 決算書とセットで「補足説明資料(前期比較・改善見込み)」を用意している
  • 資金使途に対応するPLやキャッシュフロー計画を整理している
  • 他行の取引状況や借入計画を説明できる
  • 数字の根拠を自分の言葉で説明できる

これらが揃っていると、銀行員は「この社長は話が通じる」「上に説明しやすい」と感じます。
結果として、担当者のモチベーションが上がり、あなたの案件を“通したい案件”として扱うようになります。

逆に、資料が曖昧で、説明が後手に回ると、担当者の心理は一気に冷めていきます。
「上に通せない」「リスクが高い」と判断されれば、どんなに人柄が良くても案件は前に進みません。
重要なのは、“銀行員が動きやすい状態を整える”という視点を持つこと。
これは、融資交渉の本質ともいえるポイントです。

また、忘れてはならないのが「態度」です。
銀行員は数字だけでなく、“人としての印象”も見ています。
感情的にならず、冷静に説明できる。質問に対して誠実に答えられる。
そうした姿勢が、「この社長なら信頼できる」という感情を生みます。
融資とは、単なる資金取引ではなく、“信用を預け合う人間関係”なのです。

当社では、銀行員がどんな心理で融資審査を進めるかを熟知した立場から、
経営者が「通る資料」「伝わる説明」「信頼される見せ方」を整える支援を行っています。
「銀行の反応が鈍い」「説明しても伝わらない」と感じる方こそ、戦略的に“見せ方”を見直すタイミングです。

銀行員の本音を理解し、相手が「通したい」と思える準備と姿勢を整える。
その一歩が、資金調達のスピードも、条件も、関係性も大きく変えていきます。

但し!担当者も人の子。
人間同士なので「合う合わない」が当然あります。どうしても合わないと思った場合は担当者の変更を上席に依頼するとか、それでもダメなら銀行ごと付き合いを変えるということも視野に入れておくべき事項です。

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