銀行融資の審査はなぜ時間がかかる?審査期間を逆算して準備する!

思ったより時間がかかる――銀行融資の審査が進まないワケ

「もう2週間経つのに、銀行から連絡がない」
「“本部に上げてます”って言われたまま、音沙汰がない」
資金繰りに追われる経営者ほど、そんな不安を感じた経験があるのではないでしょうか。

銀行融資の審査は、外部からはその動きが見えませんが、実際は“何層ものチェック”を経て進みます。
まず、担当者がヒアリングと資料確認を行い、支店内で一次審査。
ここで「進めても問題なさそう」と判断されると、支店長決裁、もしくは本部審査や保証協会審査へ進みます。
決裁側では、財務内容・返済計画・業績推移・業界リスクなどを分析したうえで、最終的に可否を決定します。
つまり、あなたが話している担当者の一存で決まるわけではなく、銀行という“組織”が段階的に判断していくのです。

また、審査のスピードを左右するのは「案件の複雑さ」や「融資額の大きさ」も関係します。
小口融資なら支店長の判断で即日~数日で決裁されるケースもありますが、金額が大きい場合や新規取引先の場合は、本部の稟議を経るため、2〜4週間もしくはそれ以上かかる場合もあります。

さらに、審査はあなたの会社だけが対象ではありません。
支店では常に複数の案件が並行して動いており、
年度末や決算期などの繁忙期には、どうしても後回しになるケースもあります。
銀行員自身が悪気なく遅れていることも多く、経営者が焦っても状況は変わらないのが現実です。

ただし、だからといって“待つだけ”では時間を失います。
もし資金の必要時期が明確であれば、「〇月〇日までに必要」と担当者に具体的に伝えることが重要です。
銀行は期日が明確な案件を優先的に処理する傾向があります。 銀行融資は「申し込んでからが勝負」です。
準備を整えていても、内部で止まることは珍しくありません。
審査の仕組みとタイミングを理解し、担当者との連携を取りながら“動かす”意識を持つことが、結果的に最短で融資を実行するための第一歩になります。


融資の種類で変わる“スピード感”――プロパー・保証付きの違い

銀行融資とひとことで言っても、実はその「中身」によって審査スピードは大きく変わります。
この違いを知らないまま申し込むと、「なぜこんなに遅いの?」と感じる原因になってしまうのです。

主な銀行融資は、大きく分けて3つ

①プロパー融資

②信用保証付き融資

③事業者向けフリーローン

それぞれの特徴を整理しておきましょう。

【プロパー融資】

銀行が自社のリスクで貸すタイプの融資です。
保証協会を介さない分、手続きはシンプルですが、その分“銀行自身がしっかり細かく判断”します。
支店内で審査・稟議が進み、最終的には本部決裁まで回るケースが多く、一般的な審査期間は2週間〜1ヶ月
金額が大きい場合や、新規取引先の場合はさらに時間を要することもあります。
一方で、信用や実績がある企業にとっては、保証料がかからず柔軟な条件で借りられるメリットもあります。

【信用保証付き融資】

こちらは、信用保証協会という第三者機関が“保証人”となり、その対価として申込者は資金実行の際に信用保証料を支払う仕組みです。
銀行の審査に加えて、保証協会の審査も入るため、通常よりも時間がかかります。
目安としては1ヶ月〜1ヶ月半
特に初回利用の際は、保証協会の現地確認や追加資料の提出を求められるケースもあり、この手続きが審査全体を長引かせる原因のひとつです。
ただし、銀行にとってリスクが低いため、比較的融資が通りやすいという利点があります。

【事業者向けフリーローン】

こちらは比較的少額かつスピーディーに利用できる融資商品です。
AIによる自動スコアリングを用いた“仮審査”の仕組みを導入している銀行も多く、
審査期間は1〜2週間程度が一般的。
必要書類も簡略化されているため、「まずはつなぎで少額を」という場面では活用しやすい代わりに金利は高めな商品です。

このように、融資の種類によってスピード感はまったく異なります。
重要なのは、資金の必要時期から逆算して“どのタイプで申し込むか”を選ぶことです。
たとえば、「1ヶ月後の支払いに間に合わせたい」ときに保証付き融資を選ぶと、
審査が間に合わない可能性があります。

融資を早く実行したいなら、まずは担当者に「どのタイプなら最短でいけるか」を確認し、
事業計画書や資金繰り表をあらかじめ準備しておくこと。
審査スピードは、融資の種類と準備の早さで決まります。


審査が長引く会社の共通点――経営者が知らない“ボトルネック”

銀行の審査が長引くとき、経営者はつい「銀行が遅い」と感じがちですが、実際のところ“遅くしている要因”は会社側にあるケースも少なくありません。
銀行の内部では、審査が進まない理由がきちんと記録されており、「書類不備」「確認待ち」「返済計画が不明確」といった項目でストップしていることがよくあります。

まず多いのが、提出書類の不備や不足
決算書や試算表、資金繰り表などの資料がそろっていない、あるいは直近データが古いまま提出されていると、銀行は判断できません。

特に決算直後の申し込みの場合は、提出した決算書を信用格付でスコアリングしてからの検討になるため、余計に時間を要します。
融資担当者は「上に上げるための稟議書」を作る立場なので、数字の根拠が弱い資料では次の段階へ進められないのです。
また、会計ソフトの出力をそのまま提出しているだけで、内容の説明が不十分な場合も同様です。
資料が“数字だけ”で終わっていると、銀行は「理解しているのか不安だ」と感じて慎重になります。

次に、財務状況が不安定なまま申請しているケース
売上は伸びているが利益が出ていない、短期借入金が膨らんでいるなど、経営の安定性に懸念があると、銀行は慎重に見ざるを得ません。
特に「決算直後で利益が薄い」ときは、審査が長引く傾向があります。
この場合、試算表や今期の見込み、受注残などを用いて「改善傾向」を説明できると前に進みやすくなります。

さらに見落とされがちなのが、銀行とのコミュニケーション不足
「担当者が訪問してくれない」「連絡がない」と嘆く経営者もいますが、銀行側も“動く理由”がなければ後回しになります。
審査を早めたいなら、進捗を定期的に確認すること。
「いつごろ本部に上がる予定ですか?」「追加で必要な資料はありますか?」と声をかけるだけで、優先度が上がることもあります。

また、繁忙期や決算期のタイミングも無視できません。
年度末(3月)や上期決算(9月)は、銀行が最も混雑する時期。
新規案件よりも既存融資や回収業務が優先されるため、どうしても対応が遅れます。
急ぎの案件なら、スケジュールを前倒しして動くことが重要です。

つまり、「審査が遅い会社」には、ほぼ共通した原因があります。
それは、“銀行が判断できる情報を出せていない”ということ。
審査を止めているのは、相手ではなく自社の準備不足かもしれません。

融資審査は「書類提出で終わり」ではなく、「どう伝えるか」でスピードが変わります。
次の章では、銀行担当者が“この会社は進めやすい”と感じるポイント、つまり審査をスムーズに進めるための実践策を紹介します。


審査をスムーズに進めるコツ――銀行の“中の人”が動きやすい会社とは

融資の審査を早く通したいなら、テクニックよりも「銀行員の立場を理解すること」が一番の近道です。
銀行は“組織”で判断しますが、実際に案件を動かすのは担当者という“個人”です。
その担当者が「進めやすい」と感じるか、「後回しにしよう」と思うか。
この差が、審査スピードのすべてを左右します。

まず押さえておきたいのは、担当者の仕事の流れです。
銀行員は、社長から聞いた話をもとに稟議書を作り、支店長や本部に上げます。
つまり、担当者が“社長の代弁者”となるのです。
ここで必要なのは、「この会社に貸す価値がある」と説得できるだけの情報。
もし事業の中身や資金使途の説明が曖昧だと、担当者はうまく書けません。
結果として、「後で確認します」「少し待ってください」といった停滞が起きます。 では、どうすれば担当者が動きやすくなるのか。

ポイントは3つあります。

1つ目は、情報を先回りして提供すること

決算書・試算表・資金繰り表・借入金一覧など、銀行が欲しがる書類は“言われる前に出す”。
これだけで印象は大きく変わります。
「この会社は準備ができている」と感じさせることが、審査を早める最初の一歩です

2つ目は、日頃からのコミュニケーション

いざ融資を申し込むときだけ顔を出すのではなく、普段から「最近こういう取引が増えてきた」「次はこのエリアに出店を考えている」といった話をしておくと、銀行側も経緯を理解しています。
その結果、融資相談のときに「いつも聞いている会社だ」と判断され、説明の手間が減るため、審査がスムーズに進みます。

そして3つ目は、信頼を損なう行為を絶対にしないこと

返済遅延、私的流用、約束破り――どれも“たった一度”で信頼を崩します。
銀行の信用回復には時間がかかります。
もし資金繰りが厳しくても、誠実に相談し、返済スケジュールの見直しをお願いするほうがよほど良い関係を築けます。

最後にもう一つ。

銀行は「貸したい会社」には驚くほど早く動きます。
書類が整っていて、説明が明確で、担当者が安心できる会社――そんな会社は、自然と優先順位が上がるのです。
また、自社の調達余力を適宜確認しておくことも必須です。

審査をスムーズに進める最大の秘訣は、「銀行員に味方になってもらうこと」。
そのためには、日々の経理体制を整え、情報をオープンにし、信頼を積み重ねる。
それこそが、融資を“引き出す力”となるのです。

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