プロパー融資は“信用の総合点”。中小企業が今すぐ整えるべきチェックリスト

「売上は伸びているのに、なぜ銀行評価は変わらないのか」。
実はここに、多くの中小企業が共通してぶつかる壁があります。
銀行が重視するのは“勢い”ではなく“再現性”。
単発の大型受注や一時的な値上げより、粗利の安定、固定費の統制、キャッシュを生む力の持続です。
現場の肌感覚では「忙しい=良い」でも、銀行は資金の流れの整合性で判断します。たとえば繁忙で在庫を厚めに積み、外注費や人件費の前倒しがかさみ、会計上は黒字でも資金繰りは苦しい——この状態を「今だけの一時的な歪み」と口頭で説明しても、根拠が弱ければ納得は得られません。
必要なのは、月次試算・資金繰り表・在庫回転・回収サイトなど、同じ指標を継続して観測した事実です。

正直に言うと、私自身も過去に、月次が遅れて面談で説得力を欠いた苦い経験があります。
数字が弱いと、言葉も弱くなる。
逆に、遅れのない月次、資金繰りの見通し、投資→効果→返済原資の因果をA4一枚で図解できたとき、同じ業績でも評価の空気は明らかに変わりました。
銀行は完璧な決算を求めていません。
事実を直視し、改善計画を回し続ける姿勢を高く評価します。
だからこそ、背伸びした理想値より、現実の数値と乖離の理由、そして次月に打つ手を淡々と示すことが近道です。
多くの会社が同じ課題を抱え、測る→語る→直すを回し始めた瞬間から、融資の手応えが変わっています。
最初の一歩は、直近12か月の月次を現在地まで引き上げ、資金繰り表とセットで束ねること。


次に、在庫・売掛・固定費のボトルネックを一つだけ選び、小さく早く改善して成果を面談で共有する。評価は満点より、改善の軌跡に宿ります。
準備が9割、残りの1割は“数字で語る”覚悟です。


銀行が「貸したい」と思う会社——評価される5つの整備

プロパー融資はテクニックではなく整備の順番で決まります。
ポイントは次の5つ。

①BSを整える

まず自己資本を薄くしない。役員貸付・仮払金・棚卸の過大計上は真っ先に是正。
短期(運転)と長期(設備)を資金の性格に合わせて借り分け、返済期間は回収サイクルと整合させます。
在庫回転・回収サイト・支払サイトを見直し、運転資金の滞留を解消。月末残高ではなく平均残高で管理すると実態が見えます。

②資金使途のストーリー化

「何に・なぜ・いくら・どう回収」を一本線で。設備なら停止ロス削減→歩留まり改善→粗利率+Xpt→月次CF+△円→返済原資○ヶ月分、まで図解。
投資効果は“保守的に”置き、感度分析で上下幅も提示。

③月次運用とKPIの定点観測


月次試算・資金繰り表を遅らせない仕組みにし、在庫回転、受注残、人時生産性、解約率など事業特性に合うKPIを固定。予実差異は“言い訳”ではなく翌月の手当に落とす(例:値決め、工程短縮、外注配分)。

④現実的な事業計画


3カ年で十分。トップラインは実装可能な施策単位(値上げ、販路数、稼働時間)で積み上げ、固定費の増減と採用時期を明示。四半期ごとに更新し、ズレは理由と対処で更新。銀行は「修正力」を評価します

⑤面談資料と報告姿勢


1枚サマリー(全体像・課題・対処)+裏付け資料(決算要約、資金繰り、投資計画、感度分析、契約一覧)。悪い情報ほど先出しし、事後でなく事前に共有。
稟議の“引用しやすい文章・図”を意識し、毎回フォーマットを固定化すると記憶に残ります。


実務では、①→③→②→④→⑤の順が進めやすいです。まず事実の見える化(①③)で土台を作り、次に資金の物語(②)を整え、現実解の計画(④)で数字を繋ぎ、面談運用(⑤)で加点を積む。小さくても改善の軌跡を毎月提示できれば、初回から満点でなくても「貸したい会社」へ着実に近づきます。


外部CFOが伴走すると早い、プロパー融資に向けた実務サポート

プロパー融資は“点”ではなく“線”で評価されます。
だからこそ、整備の順番を外さずにやり切る伴走者がいると、到達までの時間が短く、ブレも少ない。

今、動くべき理由は3つ。

①審査環境の波:引き締め局面では“準備の濃さ”が差になる。

②金利局面の不確実性:返済原資を早めに見える化し、借入の短長を再設計した会社が有利。

③競合も整えている:銀行の資料棚で比較されるのは“努力の形跡”。着手が早いほど、次の稟議タイミングを逃しません。

よくある失敗は、体裁は立派でも運用が止まる「紙の事業計画」、返済原資の裏付けが弱い過剰借入、そして情報共有の遅れ。私たちは、月次運用の仕組み化、資金使途の図解テンプレ、面談1枚サマリーで、これらを仕組みで再発防止します。
「外部CFOは高そう」「社内でやれるはず」という声もあります。
もちろん社内で可能です。

ただ、初速と完走率が違う。限られた人員で日常業務を回しながら、月次と資金繰りを1日も遅らせず、投資計画を稟議で引用しやすい表に落とし、四半期ごとに計画をローリングする——現場を知る手が隣にいるだけで、到達時期は数か月早まります。結果として、調達機会の前倒しや金利負担の最適化が、費用を上回る便益をもたらします。外部CFOは“知恵の提供”ではなく、手を動かす実務まで担います。


チェックリストで一歩前へ 今日から始める“貸したい会社”づくり

やるべきことは複雑ではありません。順番どおりに、小さく速く進めるだけです。

まずは今日からの3アクション。
①直近12か月の月次試算・資金繰り表を最新化し、1つのファイルに束ねる。遅れている月があれば、売上・原価・販管費・在庫・債権・債務の必須勘定だけでも暫定で埋め、翌月に精緻化します。
②「投資→効果→返済原資」をA4一枚で図解。用途、金額、効果の因果、感度(標準・慎重)、返済スケジュールまで一本線で示します。
③担当行に近況共有の面談予約。良い話だけでなく課題を“先出し”して、対処のロードマップをセットで伝えましょう。

次に、ボトルネックの特定です。
在庫回転、回収サイト、固定費の3領域で最も効く一手を一つだけ選び、2週間で結果が出る施策に絞ります(例:在庫ABC分類で長期滞留を三割削減、与信ルールの暫定化で回収を前倒し、外注配分見直しで粗利率+1pt)。
成果は数字とスクリーンショットで記録し、次の面談で共有。
評価は満点の決算ではなく、改善の軌跡に宿ります。
面談資料は固定フォーマットで運用しましょう。
1枚サマリー(現状・課題・打ち手・見込み)→裏付け(決算要約、月次推移、資金繰り、投資計画、契約一覧)。悪い情報ほど先に出すのが信頼の最短距離です。

ここまで整えば、プロパーの可否は時の運ではなく、準備の濃さで決まります。
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