【最近の銀行動向】コロナ融資後の厳格審査と創業融資のチャンス!

セーフティネット保証4号とは何だったのか?

コロナ禍において多くの中小企業が資金繰りに苦しんだ中、政府によって創設された「セーフティネット保証4号」は、まさに企業の命綱でした。この制度は突発的な災害や経済的影響によって著しく売上が落ち込んだ中小企業に対し、信用保証協会が借入の100%を保証するという、極めて優遇された仕組みです。金融機関にとってはリスクがほぼゼロであるため、通常よりもスピーディかつ柔軟な融資が実行されました。
2020年から始まったこの制度は、感染症という未曾有の危機に直面した企業の資金調達を支えました。売上減少要件(前年同月比20%以上減)を満たせば、業種を問わず認定が受けられ、事実上ほとんどの業種で適用可能だったため、幅広く利用されました。

特に大きな特徴は次の2点です

・信用保証協会の100%保証:万一の返済不能時にも、金融機関は元本の全額を保証協会から回収できる。
・据え置き期間付きの長期融資:元本の返済を1〜3年据え置くことで、当面のキャッシュフロー負担を抑えることができた。

このような条件の下、資金繰りが厳しかった企業はもちろん、先行き不安に備えて予防的に借入を行う企業も少なくありませんでした。その結果、多くの企業が過去にない規模の融資を受けました。

しかし2024年6月30日をもって、セーフティネット保証4号の新規申請は終了。以降は同様の条件での新規借入や借り換えはできません。これにより、金融機関・企業の双方にとって大きな転換点を迎えたと言えます。

既に制度を活用した企業は、契約通りの返済が求められますが、返済が始まるタイミングが重なることで経営への圧迫が表面化してくるフェーズに突入しています。

これからの中小企業経営において重要なのは、「返済が始まることを前提に、キャッシュフローの再設計を早急に行うこと」です。

そのためには、既存の借入内容を正確に把握し、今後の返済スケジュールを可視化したうえで、必要に応じてリスケジュール(返済条件の見直し)や他制度による借り換え、補助金活用といった複合的な対策が求められます。

「融資を受けたことで一時的に延命できたが、その後の改善策を講じなかった」企業と、「融資を活かして構造改善に取り組んだ」企業では、今後の財務状態に大きな差が生まれるのは明白です。
セーフティネット保証4号は、終わりを迎えた今こそ、その意味を正しく捉え直し、次の資金戦略につなげるべきタイミングなのです。

コロナ融資の返済が始まった今、企業に起きていること

セーフティネット保証4号や実質無利子・無担保融資(いわゆる「ゼロゼロ融資」)の返済が本格化し、多くの中小企業が新たな局面に突入しています。
「返済が始まったが、資金繰りが厳しくなってきた」
「借りた時よりも業績が戻っていない」
「据え置き期間が終わって、突然キャッシュが減り始めた」

——こうした声は、全国の中小企業の現場から多く聞かれるようになりました。

特に深刻なのは、当初の融資から3年の据え置き期間が終了し、元金返済が一斉に始まった企業群です。
融資を受けた当時から業績が改善していれば問題はありませんが、売上が回復していなければ、元金返済が資金繰りを直撃します。

また、複数の融資を重ねた企業では、返済スケジュールが重複することで、毎月の返済額が当初の想定を超えるケースも多く見られます。

このような状況の中で重要なのは、「資金繰りの再設計」です。単に返済を続けるのではなく、返済可能なスケジュールに再構成するための行動が求められます。

たとえば
 ・既存融資の借換や一本化による返済負担の軽減
 ・一時的なリスケジュールによる返済猶予の確保
 ・新たな資金調達(運転資金・成長投資)によるキャッシュの確保
そして何より、「返済が始まってから相談する」のでは遅く、「始まる前に相談する」ことがポイントです。

外部CFOや資金繰りコンサルタントなどの専門家と連携し、数字に基づいたシミュレーションを行いながら、経営判断に落とし込んでいくことが、今後の企業存続にとって決定的に重要です。

資金繰りの“詰まり”を可視化する──その第一歩とは?

コロナ融資の返済が本格化しはじめた今、多くの中小企業が見落としているのが「資金繰りの可視化」です。融資返済が始まってから「キャッシュが足りない」と気づくのでは遅く、必要なのは“足りなくなる前に把握する”こと。つまり、未来の資金繰りを見える化することが最優先の経営課題です。

そこで欠かせないのが、「資金繰り表(キャッシュフロー表)」の作成です。これは今後の入金・出金を月単位で見える化し、資金の過不足や詰まりを明らかにする基本ツールです。

作成時のポイントは以下の通りです

 ・売上・入金は過去の実績や季節変動を加味して現実的に見積もる
 ・人件費、地代家賃、借入金返済などの固定支出を網羅する
 ・複数融資の返済スケジュールは月ごとに正確に反映する
 ・設備投資や税金など、突発的な支出も予測に入れる

この表を作れば、「◯月にキャッシュが足りなくなる」「資金が厳しくなるのはこの支払いと重なるからだ」といった“未来の詰まり”を具体的に把握できます。

さらにこの資金繰り表は、銀行や金融機関への説明資料にもなります。たとえば、「この時期に資金が不足する見込みがあるため、返済条件の見直し(リスケ)や借換を検討したい」「成長投資のためにこの月に融資を受けたい」といった交渉において、根拠ある“数字”があることで銀行の信頼を得やすくなります。

ただし、ここで注意すべきは「資金繰り表は作って終わりではない」ということです。
毎月の売上変動や新たな支出が発生すれば、表もその都度更新が必要です。だからこそ、資金繰りの見直しを“日常業務”として捉える体制が求められます。

こうした作業は慣れないと手間も時間もかかりますが、私たちのような外部CFOサービスを活用すれば、現実に即した実行可能な表の設計・更新・戦略立案までを一括で支援可能です。

資金ショートは、企業を倒す最大のリスクです。未来の“詰まり”を見える化し、今のうちに一手を打っておくことで、企業の命運は大きく変わります。

返済が“始まる前”に動く企業が生き残る

「返済が始まってから、資金繰りが厳しくなってきた」
そんな声が増えていますが、本当に重要なのは**“返済が始まる前”に動いているかどうか**です。

コロナ融資は、元金返済の据え置き期間が設定されていたため、多くの企業がこの「猶予期間」を資金繰りの緩衝材として活用してきました。ところがこの期間が終わると、急に毎月の返済が始まり、キャッシュが一気に減り始めます。

ここで分かれるのが、「返済開始前にシミュレーションし、手を打っていた企業」と、「何もせず、始まってから慌てた企業」です。

返済が始まる前にやっておくべきことは、主に以下の3つです

 1.「資金繰り表の作成と返済スケジュールの可視化」
 いつ、いくらキャッシュが出ていくのか? 売上と返済のバランスは取れているのか?
 これを把握していないと、判断も打ち手も出ません。

 2.「資金ショート月の洗い出しと対策の検討」
  「○月が厳しい」と分かっていれば、その前にリスケや借換、補助金の活用などの相談が可能です。
 直前の対応では、選択肢が減るどころか銀行の心証も悪くなりかねません。

 3.「金融機関との早期対話・交渉準備」
  先手で相談する企業は「リスク管理ができている」と評価されやすく、柔軟な対応を引き出せる可能性も高まります。逆に、返済開始後に資金繰りが悪化してから相談しても、打てる手は限られてしまいます。

特に注意したいのは、「実績が悪いから相談できない」と尻込みするパターンです。むしろ、業績が厳しいからこそ、“数字に基づいた説明”と“誠実な姿勢”が重要になります。

私たちが伴走している企業でも、返済前の段階で返済予測とシミュレーションを行い、融資の一本化や返済期間の見直しを進めたことで、キャッシュフローの安定化に成功した事例が多数あります。

資金繰りに苦しむ未来を避けるために、動くなら「今」です。
返済が始まってからではなく、「始まる前に」プロと一緒に戦略を立てることが、生き残りをかけた企業にとって最大の防衛策になるのです。

返済困難な企業がとるべき“次の一手”

すでに返済が始まり、資金繰りが限界に近づいている企業にとって、必要なのは「待つ」ことではなく、「動く」ことです。事業が回らない、キャッシュが足りない——そんなとき、ただ金融機関の反応を待っていても状況は好転しません。むしろ、「資金が尽きる直前」では選べる選択肢が極端に少なくなってしまうのです。

こうした局面で企業が取り得る“次の一手”は、大きく3つに分類できます

 ① 借入条件の見直し(リスケジュール)

元金返済の一時停止や、返済期間の延長、返済金額の減額といった条件変更を銀行と協議することです。銀行側としても「返せなくなってからの相談」より、「事前に打診された相談」に対しては柔軟な対応がしやすい傾向にあります。

ただし、リスケジュールは“信用情報”にも関わるため、安易に繰り返すと将来的な資金調達に悪影響を及ぼすこともあります。したがって、慎重な判断と綿密な計画が不可欠です。

 ② 借換や一本化による資金繰り改善

複数の融資を受けている場合、それらをまとめて一本化することで返済額を調整することが可能です。また、保証協会や政策金融公庫が用意する“借換専用の制度”を活用することで、据え置き期間や長期返済条件を再取得できる場合もあります。

ただし、制度ごとに要件が異なるため、適切な制度の選定と、金融機関との交渉スキルが求められます。この点においては、専門家の力を借りるのが賢明です。

 ③ 補助金・助成金・新たな資金調達の検討

売上回復の道筋がある場合には、補助金の活用によって投資を実行し、成長の足場を築くという選択肢もあります。設備投資や業態転換、販路開拓などの補助金は、資金繰りを助けるだけでなく、企業体質そのものを強化するきっかけになります。

また、既存事業が厳しい場合には、新規事業への投資やクラウドファンディング、投資家からの資金調達といった“融資以外”の道も選択肢に入れておくべきです。

いずれにせよ、返済困難な状況からの脱却には、「数字に基づいた現状把握」と「複数の打ち手を組み合わせた再設計」が必要です。一社で悩みを抱えるのではなく、早期に専門家に相談し、“生き残るための資金戦略”を構築することが最も重要な一手です。

まとめ:コロナ融資の終わりから、次の経営フェーズへ

コロナ融資という「特別な猶予期間」は、2024年6月末で一区切りを迎えました。
多くの企業がこの制度を活用し、嵐を凌いできましたが、その“返済フェーズ”が本格化する今、経営のかじ取りはますます難しくなっています。

今後、企業に求められるのは次の3つです

 1.「返済が始まる前に」シミュレーションし、準備を整えること
 2.「返済が始まった後でも」諦めずに選択肢を探ること
 3.「キャッシュフローの見える化」と「資金戦略の再設計」を継続すること

融資は“手段”であり、目的ではありません。借りた資金をどう活かし、どう返すか。そのプロセスこそが企業の経営力そのものです。

セーフティネット保証やゼロゼロ融資で延命しただけの企業と、それを機に体質改善や事業改革に踏み出した企業では、これからの5年、10年で大きな差が生まれます。

金融機関との関係も、数字を武器に交渉することで変えられます。経営者ひとりで悩むのではなく、外部CFOや資金繰りのプロと連携し、財務の“見える化”を実行していくことが、今後の持続的な成長と存続の鍵となります。

「借りたお金の返済」は、ゴールではなくスタートです。
今こそ、“返済を経営の好機”に変えるタイミングです。

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