銀行融資は“数字”より“物語”が通る、事業性資金の審査を通すリアルなコツ

なぜ“事業性資金”にはストーリーが必要なのか?

「銀行融資を受けたいけど、どう説明すればいいか分からない」
創業から数年以内の経営者から、よく聞く言葉です。
事業は動き始めているけれど、資金は常にギリギリ。
運転資金や新しい設備投資のために“事業性融資”を検討するものの、銀行の担当者に何をどう話せばいいのか分からない。そんな方は多いでしょう。

ここで大切なのが、「資金使途=お金の使い道」に“ストーリー”を持たせることです!
銀行は「このお金で何をするのか」だけでなく、「なぜ今、その投資が必要なのか」「それが会社の成長にどうつながるのか」という“物語の筋道”を見ています。
いくら数字が整っていても、背景の物語が弱ければ、銀行には“実感”として伝わりません。

たとえば、「新しい製造機械を導入したい」という申込み。
単に「生産効率を上げたい」と説明するより、
「既存顧客から追加注文の要望があり、今の設備では納期に間に合わない。受注を逃せば競合にシェアを取られる」という流れが見えると、銀行は“必要性と再現性”を理解できます。
このように、資金使途の説明には数字の裏づけとともに“ストーリー性”が欠かせないのです。

ところが、この「物語を伝える力」は、経験の浅い経営者ほど難しい部分でもあります。
なぜなら、「何が銀行に響くストーリーなのか」は、業界を理解している人でないとわかりにくいからです。
同じ投資でも、飲食業と製造業、ITサービス業と建設業では“リスクの見え方”が全く違います。
たとえば、製造業なら「稼働率」「納期対応力」、飲食業なら「回転率」「リピート率」、IT企業なら「開発スピード」や「継続課金率」。
それぞれの業界で“お金が成果に変わるポイント”が異なるため、銀行が納得するストーリーも違ってくるのです。

つまり、事業性資金の申込みは「借りる」行為というより、「自社の事業を語るプレゼン」に近い。
銀行は数字を見るだけでなく、その数字の裏にある“経営者の考え方と一貫性”を評価します。
「借りたい理由」のみならず、「どう事業を伸ばしていくか」という“未来への筋道”を語れる経営者ほど、審査はスムーズかも知れません。

ここで安心してほしいのは、必ずしも立派な計画書や完璧な数字が必要なわけではない、ということ。
重要なのは、「なぜ」「何に」「どう活かすか」を、あなた自身の言葉で整理して伝えることです。
数字は専門家が整えることができますが、“事業の物語”は経営者にしか語れません。


事業性融資の審査の仕組みを理解する、銀行が見る“数字以外”の信用

「銀行は数字で判断する」とよく言われます。
確かに、決算書や試算表などの“数字の裏づけ”は、融資審査の基本です。
しかし実際の現場では、数字だけでは判断できない“事業の筋”や“経営者の姿勢”が大きなウエイトを占めています。

なぜなら、事業性融資とは「将来のキャッシュフロー(お金を生み出す力)」を見て貸す融資だからです。
これまでの実績だけでなく、「この資金を使って何を生み出すのか」「どんな未来が描けるのか」が、審査の本質になります。

たとえば、ある飲食店が「2号店を出したい」と申し込んだとします。
銀行は、単に「売上が伸びそうだから貸す」わけではありません。
その裏にある事業の物語
・なぜ今のタイミングで出店なのか
・1号店の強みをどう活かすのか
・新店舗の集客モデルは現実的か
といった“戦略のつながり”を見ています。
このストーリーに整合性があれば、多少の数字的リスクがあっても融資が通ることは珍しくありません。

逆に、数字が黒字でも「使い道があいまい」「誰にどう売るのかが見えない」といったケースでは、銀行は慎重になります。
つまり、審査の本質は「数字」+「物語の納得感」。
銀行の担当者が社内で上司を説得できるだけの“説明材料”を、経営者が提供できるかどうかがカギなのです。

銀行の審査は、一般的に次の3段階で行われます
  1. 担当者(営業)による一次審査
     → 経営者面談、事業内容のヒアリング、資金使途の整理。
  2. 審査部による二次審査
     → 数字の分析・返済可能性の評価。定量面が中心。
  3. 支店長または本部決裁
     → 担当者の「この企業は信頼できる」という推薦理由を重視。

この中で、意外と重要なのが「一次審査」――つまり担当者との初回面談です。
ここで語られる事業のストーリーが、審査資料にそのまま反映されるため、経営者の説明力が融資成否を左右します。
担当者が「この経営者は筋が通っている」「現場を理解している」と感じれば、その熱量は審査部にも伝わります。

銀行はリスクを避けたい一方で、「応援したい企業」に出会いたいとも思っています。
数字だけでは測れない“現場のリアル”や“経営者の覚悟”を、事業性融資では特に重視します。
だからこそ、決算書を“説明の道具”として使える経営者は強いのです。


審査を通しやすくする5つのテクニック、借りやすい企業がやっている準備とは

銀行融資の審査を通すコツは、裏ワザではなく「準備と伝え方」にあります。
数字の正確さはもちろんですが、それ以上に「この会社はお金を活かせる」と銀行に感じてもらうことが大切です。
では、“借りやすい企業”が共通して実践しているポイントを整理してみましょう。

5つのテクニック

① 資金使途を“目的”ではなく“物語”で語る

「運転資金が必要」「新店舗を出したい」これだけでは不十分です。
銀行が知りたいのは、「なぜ今なのか」「どんな未来につながるのか」。
単なる“目的”ではなく、“事業のストーリー”として伝えましょう。
たとえば「既存顧客のリピートが増えてきた今こそ、安定供給のために設備を強化したい」というように、“因果の流れ”を意識するだけで印象は大きく変わります。

② 売上より“キャッシュフロー”を語る

銀行が見ているのは「返せるかどうか」。
赤字でも、キャッシュが回っている会社は前向きに評価されます。
月次の資金繰り表を作り、現金の出入りを説明できるようにしておきましょう。
「この融資を受けても、月々の返済はこの範囲で収まる」という見せ方ができると、信頼度は格段に上がります。

③ 数字の“裏付け資料”を添える

見積書、受注書、契約書など、実際の商談や案件の証拠資料を添付することで、説得力が増します。
銀行は“机上の計画”より、“現実の動き”を重視します。
「すでにこのプロジェクトが動き始めている」という姿勢を示すことで、審査側も安心してGOサインを出しやすくなります。

④ 銀行担当者を“味方”にする

融資審査を実際に動かすのは、あなたの目の前にいる担当者です。
担当者が社内で上司に説明する材料を、経営者が一緒に作る意識を持ちましょう。
たとえば「この資料は銀行さんの稟議でも使ってください」と添えるだけでも印象が変わります。
審査は“担当者との共同作業”と捉えることが、融資成功の近道です。

⑤ 「専門家の視点」で整える

事業計画書や数字の整合性は、外部の専門家の助けを借りるのがおすすめです。
税理士や外部CFO、資金調達の専門家は、銀行が重視する“見られるポイント”を理解しています。
経営者が物語を語り、専門家が数字を整える、このタッグが最強です。

これら5つのテクニックは、どれも特別なスキルではありません。
“相手(銀行)に伝わる形で、自社の強みと意図を整理する”という姿勢さえあれば、誰でも実践できます。
審査の通し方に正解はありませんが、「伝わる準備」を怠らない会社ほど、銀行からの信頼は確実に積み上がっていきます。


事業性融資は“借りる”ではなく“語る”金融機関と共に成長する資金戦略へ

「融資を受ける=お金を借りること」と考える経営者は多いでしょう。
しかし、事業性融資の本質は「未来を語り、信頼を得ること」です。
銀行が求めているのは、“借りたい理由”ではなく、“その資金でどんな未来をつくるのか”。
この発想の転換こそ、創業〜3年目の経営者が最初に身につけるべき「資金戦略の土台」です。

実際、銀行の担当者は経営者との対話の中から「この会社は何を目指しているのか」を感じ取っています。
数字や資料の正確さはもちろん大切ですが、それ以上に印象に残るのは経営者の言葉です。
たとえば、「この事業で地域の雇用を増やしたい」「お客様にもっと喜ばれる商品を作りたい」地域社会に貢献したい。
こうした“事業の想い”に筋が通っていれば、銀行は自然と応援したくなるものです。
事業性資金の審査は、まさに“想いと現実をつなぐ対話”の場だといえます。

ここで大切なのは、銀行もまた「共に成長したい」と思っているパートナーであるということです。
銀行は単にお金を貸す相手ではなく、経営者の考え方・計画・姿勢を間近で見ている存在。
一度信頼を築けば、次の融資、さらには補助金・制度融資の紹介など、長期的な支援へとつながります。
「借りやすい会社」とは、“常に説明できる会社”“相談できる関係を築いている会社”なのです。

そして、事業性融資をうまく活用している経営者の多くは、「専門家」との連携を惜しみません。
外部CFOや資金調達の専門家、税理士などは、銀行の評価基準を熟知しています。
「この数字をこう見せた方が伝わりやすい」「この使い方なら事業性融資の対象になる」など、現場の“翻訳者”として経営者を支えます。
経営者自身は事業のストーリーを語り、専門家がそのストーリーを数字に翻訳する。
この体制を整えるだけで、融資の通過率も資金調達スピードも格段に向上します。

事業性資金は、単なる“資金繰り対策”ではありません。
それは「自社の価値を再発見し、成長を描くチャンス」です。
銀行に語ることを通じて、自社の強みや課題を整理できる。
その過程こそが、経営を一段階上へ引き上げる“実践的な経営トレーニング”とも言えます。

もし今、「どこから話せばいいのか分からない」「審査が通るか不安」と感じているなら、
まずは一度、専門家や金融機関の担当者と一緒に“自社の物語”を整理してみてください。
数字の先にあるストーリーを見せられれば、銀行はあなたの事業の「可能性」に投資してくれます。 融資はゴールではなく、スタートです。
事業性融資を“借りるため”ではなく“伸ばすため”の資金に変える

その第一歩を、今日から踏み出してみてください。

外部CFO | LIFE CREATE サービス内容についてはこちらをご覧ください。

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