「融資ってどうやって借りるの?」から始める、経営者のための財務と資金調達セミナー
先日、三河エリア拠点の経営者勉強会「ENGINE会」様よりご縁をいただき、セミナー講師を務めさせていただきました。
テーマは大きく分けて「融資の基本」と「財務の見方・活かし方」。
会社のステージに関係なく、知っておいて損はないエッセンスを2部構成でお伝えしました。

第1部:銀行から“スムーズに借りる”ために押さえておきたいこと
まずは「融資とは何か?」という基本の確認から。
銀行融資とは、企業の未来に期待してお金を預けてもらう行為です。
そのためには、「この会社なら安心して貸せる」と思ってもらう必要があります。
このパートで取り上げた主なトピックは以下の通りです:
- 融資の種類(信用保証協会付き・プロパーなど)
- 銀行が重視する「信用情報」の正体
- 銀行が提案してこない“借入の組み方”
- 資金調達の失敗パターンとその回避法
- 良好な銀行取引を築く“見えないルール”
実は、銀行が言わないけれど現場では常識のようになっていることもたくさんあります。
たとえば、「借入金利にこだわりすぎて返済年数を短くされた結果、資金繰りが悪化する」といったケースです。
金利より“毎月いくら出ていくか”のほうが大事、という視点は意外と見落とされがちです。
また、棚卸資産や売上債権が多い業種であれば、長期借入ではなく短期資金の方がマッチするケースも。
そういった“借り方の戦略”まで、銀行が親切に教えてくれるわけではありません。
第2部:「財務」は未来を作るための言語
後半では、「財務とは何か?」という問いを中心にお話しました。
・「それって会計と何が違うの?」
・「税理士が見てるから、自分はノータッチでいいんじゃないの?」
こういった誤解を解きながら、財務・税務・会計の役割を整理しました。
- 税務:納税のための処理
- 会計:記録と報告のための処理
- 財務:経営判断に使うための数字管理
つまり財務は、「社長自身が触れるべき数字」であり、経営のかじ取りの羅針盤です。
セミナーでは、実際の決算書を例にとりながら、以下のような内容も解説しました:
- 決算書(BS/PL/CF)の基本構造と見方
- キャッシュフローの把握と“繋ぎ資金”の考え方
- 月次試算表でのチェックポイント(粗利・販管費率・借入返済とのバランスなど)
- 貸借対照表から問題点を洗い出し、改善につなげた実例紹介
たとえば、PLでは利益が出ているのに手元に現金がないという会社に対して、BSから資産構成を見直し、不要な短期返済を長期資金に組み替えた結果、キャッシュが安定し、資金繰りの悩みが一気に解消した事例も紹介しました。
「財務に強い経営者」になる第一歩を
セミナー終了後、何人かの方から「今日初めて財務の話が腹落ちしました」という感想もいただきました。
お金の流れを“見える化”することは、会社を守るだけでなく、攻めの経営にもつながります。
もし、資金繰りや銀行との関係に不安がある場合は、放置せずに一度整理してみることをおすすめします。
必要があれば、私のような外部CFOや財務コンサルが支援することも可能です。
税務の先生だけでは対応しきれない“未来志向の数字の使い方”を、一緒に考えてみませんか?
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