「今回のご融資は、総合的判断により見送らせていただきます。」
銀行からこう告げられて、モヤモヤしたまま引き下がった経験、ありませんか?
明確な理由は教えてもらえず、「ウチはもうダメなんやろか…」と悩む経営者の方は多いです。
でも実は、「総合的判断」というのは銀行にとってもっとも便利な断り文句。
本音をぼかしてトラブルを避けるために使われる“曖昧な表現”なんです。
本記事では、銀行がその言葉に込めた本当の理由と5つのチェックポイント、
そして「次こそは融資を通す」ための質問術と対策について、わかりやすくお伝えします。

「総合的判断」という言葉の裏にある、実際の理由とは?
銀行が本当に見ているポイントは、主に以下の5つ。
1つでも問題があれば、融資を断る判断につながることがあります。
1. 財務状況に問題がある
- 自己資本が薄い、債務超過
- 売上減少や赤字続きで利益が不安定
- 決算書を見て、資金繰りが悪化していると判断された
👉 銀行は「過去」をベースに「未来」を予測します。数字に改善傾向がなければ、評価は厳しくなります。
2. 担保・保証に不安がある
- 担保になる資産がない
- 保証協会の枠がすでに限界
- 保証人がつけられない or 信用力が弱い
👉 銀行もリスクゼロでは動けません。「貸し倒れたらどう回収するか」が常に問われています。
3. 代表者・関係者に信用リスク
- 社長個人の信用情報に事故履歴
- 役員や株主にトラブルの過去
- 他行との取引で過去に問題を起こしている
👉 経営者個人の履歴や人柄も、銀行はしっかり見ています。過去のブラック履歴は要注意。
4. 業種リスク・融資効率の問題
- 銀行がリスク高と見る業種(飲食・建設・不動産など)
- 借入額が少なく、手間に対して収益が出ない
- 業界全体が厳しい状況にある
👉 銀行にも「方針」があるので、業界そのものがマイナス評価の対象になることも。
5. 銀行の内部事情
- 支店の融資枠の関係
- 他行との競合関係
- 担当者の経験や裁量の差
👉 これは企業努力ではどうにもならないケースもあります。でも、知っておくだけでも戦略が変わります。
「本当の理由」を探るための5つの質問術
銀行がはっきり教えてくれへんのなら、こちらからうまく聞き出すしかありません。
次の5つの視点から質問を投げてみましょう。
1. 財務のどこに問題がありますか?
- 「どの数字が改善されれば、次回は可能性が高まるでしょうか?」
- 「この決算書のどの点が特に気になりますか?」
👉 指摘された部分がわかれば、そこをピンポイントで改善できます。
2. 担保や保証に関して何が不足していましたか?
- 「担保があれば融資は通る可能性がありますか?」
- 「保証協会の利用で何か課題がありましたか?」
👉 保証協会の余力や、担保価値の見直しがポイントになります。
3. 借入条件を変えたら可能性はありますか?
- 「借入希望額を減らすことで再審査してもらえますか?」
- 「返済期間の変更でリスクを軽減できますか?」
👉 銀行側の“貸しやすい条件”に合わせて再設計することも有効です。
4. 経営者や役員に何か懸念はありますか?
- 「個人信用情報など、経営者側の要因が影響していますか?」
- 「社内体制に対する指摘などはありましたか?」
👉 個人信用の問題なら、事前に改善に向けた行動もできます。
5. 業種や銀行方針が原因なら他行で可能性は?
- 「この業種は、御行として難しい分野なのでしょうか?」
- 「他行での可能性もあると思われますか?」
👉 銀行ごとに方針が違うため、「相性の良い銀行」を探すのも作戦のうち。
見送りを「終わり」にせず、「次のチャンス」につなげよう
「総合的判断」と言われたからといって、すべてをあきらめる必要はありません。
むしろ、何が足りなかったかを正しく把握すれば、次の融資が通る確率はグッと上がります。
ポイントは以下の通りです:
- ❶ 財務のどこを改善すべきか、明確にする
- ❷ 担保・保証の再確認
- ❸ 借入条件の再設計
- ❹ 経営者側の信用情報を整理
- ❺ 他行との相性も視野に入れる
融資を“取れる会社”へ、今できる一歩を
銀行交渉に自信がない社長、財務のどこを直せばいいか迷っている方、
「一人で悩む前に、プロに聞いてみませんか?」
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「断られて終わり」じゃなく、「次は取れる会社になる」。
そのために、まずはお気軽にご相談ください。
🔚 まとめ
銀行からの「総合的判断で融資不可」は、チャンスの終わりではなく、改善のスタートです。
本当の理由を聞き出し、次こそは確実に通す。その準備を一緒に始めましょう。
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